鹿肉について（栄養素） 

鹿肉について（栄養素）

鹿肉について栄養素なども含め少し説明しますと、日本には北海道から九州まで日本全国に7種の鹿がいます。その各地に生息している鹿はすべて「ニホンシカ」の種類にあたります。中でも北海道に生息しているエゾ鹿は日本一大きな種の鹿で、体重100kgを超える最も大きな種のニホンシカです。
鹿は哺乳類、鯨偶蹄目、シカ科に属する動物の総称です。夏の毛は茶色、冬の毛は灰褐色という特徴を持っています。
鹿は、牛と同じように4つに分かれた胃を持っています。これは、一度飲み込んだ食物をまた口の中に戻して、噛みなおしては再び飲み込むことを繰り返すという反芻というほうほうによる消化をしています。
牛の角は中に骨があり年々伸び続けます。しかし鹿の角は中には骨がなく皮膚が盛り上がって出来ています。そして鹿の骨は毎年生え変わります。
鹿肉は実は古くからなじみのある狩猟肉なのです。
馬肉は「さくら」、猪肉は「ボタン」と呼びますが、鹿肉のことを「もみじ」といいます。
馬肉や猪肉は市場でもよく流通しているので、食べたことのある方も多いことと思います。鹿肉はその地域の方々には最も身近な食材なのです。
特にヨーロッパでは鹿肉は高級食材として人気がありフランス料理には欠かせない食材の一つです。知床でもそうですが各地ではジビエとしてフレンチ食材にという動きを盛んに行っているそうです。
鹿肉は馬肉と成分や特徴など非常に共通する点が多くとてもよく似ています。低カロリー低脂肪高タンパクで特徴まで、馬肉とほとんど同じであるといってもいいと思います。
鹿肉は脂肪が少なく赤身の肉です。カロリーが低く鹿肉は馬肉同じく110kcal / 100g程です。それは豚肉や牛肉に比べてカロリーが約3分の1と低く、脂肪も15分の1程で、非常にヘルシーな肉だといえます。
鹿肉は脂分が少なくヘルシーなのに、タンパク質は牛肉の約1.7倍、豚肉の約1.3倍と高タンパクなのも特徴です。そのほかアミノ酸やミネラルバランスに優れおり、鉄分が豊富（多いと言われる羊の約1.5倍、牡蠣と同等）に含まれています。
さらに鹿肉は、共役リノール酸（CLA）をはじめ多価不飽和脂肪酸にも優れています。

鹿肉は肉類であるにもかかわらず、なんと青魚に多く含まれているといわれるDHA（ドコサヘキサエン酸）が含まれています。DHAは不飽和脂肪酸の一つなのです。
鹿肉は、牛肉と比べても、やや赤みの強い色をしているのが特徴です。さらに空気に触ると、さらに赤みが増して強くなります。これは鹿肉が鉄分を豊富に含んでいるからです。空気に触れている時間が長いほど多少黒ずんだ赤色になってしまいます。
但し、高タンパク高栄養の鹿肉ですが、アミノ酸は熱に弱く火を通してしまうと違うアミノ酸に分解されてしまいますし、生肉の利点である酵素は48度前後で破壊されて死滅してしまいますので注意が必要です。ですから鹿肉を犬に与える際には、極力火を通さない生肉がいいと思います。
野生鹿ですから牛や豚、鳥と違って添加物やホルモン剤のような薬物を使っていません。鹿肉は馬肉と同じように体温が高いため寄生虫や雑菌がつきにくく清浄肉だといわれています。そうしたことからも肉質的にもとてもキレイであるといえると思います。
ここ数年食べ物の安全性が問題視されていますが、鹿は馬と並んで牛、豚、鶏肉などの食肉の中でも安全な動物といえるでしょう。
鹿肉は食物アレルギーの原因になりにくい消化の良いタンパク質です。
少量で充分な量のタンパク質が補えますので、食欲の落ちたシニア犬にもおすすめです。

鹿肉の栄養価や成分につきましては下記をご参照下さい。